一つの電子コインは、連続するデジタル署名のチェーンと定義される。電子コインの各所有者は、直前の取引のハッシュと次の所有者のパブリック・キー(公開鍵)をデジタル署名でコインの最後に加えることにより、電子コインを次の所有者に転送する。受取人は一連の署名を検証することで、過去の所有権を検証できる。

無論、問題は受取人には過去の所有者がコインを二重使用していないことを検証できないことにある。一般的な解決法は信用のおける中央機関もしくは造幣局を間に入れ、全取引を監視させることである。取引の度にコインは造幣局に戻され、新しいコインが発行され、造幣局から新しく発行されたこのコインのみが二重使用されていないものとして信用される。この解決法の問題は、全取引が造幣局を通じて行われるため、銀行と同様に造幣局を運営している企業に、金融システム全ての運命が左右されることである。必要なのは、コインの受取人に今までの所有者らが二重署名していないことを知らせる方法である。この目的においては、最初の取引だけが論点であるので、後の二重支払いの試みについては関係のないものとする。取引がなかったことを明確にするには全取引を監視する必要がある。造幣局モデルでは造幣局が全取引を監視し取引の順番を決定していた。これを第三者機関なしに行うには、取引が公開され、参加者たちが受け取った順番の唯一の取引履歴に合意することのできるシステムが必要となる。受取人は取引毎に、取引が行われた時点で大多数のノードがそのコインが初めて使用されたことに賛同したという証明を必要とする。
タイムスタンプ・サーバー
提案する解決法は、まずタイムスタンプ・サーバーから始まる。タイムスタンプ・サーバーは、タイムスタンプされる複数アイテムを含むデータブロックをハッシュとして処理し、そのハッシュを新聞やUsenetポスト[2-5]のように広範囲に公開する。タイムスタンプにより、そのデータがタイムスタンプされた時点でハッシュとなるために存在していたことが証明される。各タイムスタンプはそのハッシュの中に直前のタイムスタンプを含んでいくことでチェーンを形成し、タイムスタンプが増えるたびに以前のタイムスタンプを強化していく。



